野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正

更新 2019.12.29

令和元年12月25日に環境省より「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」が発表されました。
今回は改正内容(概要) を簡単に紹介したいと思います。
(早くて2020年2月から実施されるみたいです。)

改正内容(概要)

国内希少野生動植物種の指定

「国内希少野生動植物種」とは絶滅のおそれのある野生動植物種を指定し、個体の捕獲、譲渡し等を原則禁止し、生息地等保護区の指定、保護増殖事業を実施し種の保存をしています。今回は動植物63種が新たに国内希少野生動植物種として政令により指定することになりました。その中の動物種は30種が追加され、そのうち爬虫・両生類は4種が追加になりす。

特定第一種国内希少野生動植物種の説明

特定第一種とは国内希少野生動植物種のうち、繁殖技術が確立しており、流通を認めたとしても種の保存に影響を及ぼさないと認められるものです。
事前に届出を行った事業者による商業的取引は認められています。

特定第二種国内希少野生動植物種の指定

特定第二種は国内希少野生動植物種のうち、個体数が著しく少ないものでなく、繁殖による個体の数の増加の割合が低いものでない等の条件を満たすものです。販売や頒布をする目的での捕獲や譲渡が規制されています。

今回は昆虫のタガメと両生類のトウキョウサンショウオが特定第二種に入り、今後は販売が禁止されます。
※あくまで販売が禁止になるだけで、研究や趣味の採取はOKです。

タガメの売買を禁止へ (環境省)

採取等の禁止の対象となる卵及び種子の追加

卵や種子が採取等規制にされているものです。

今回追加されたもの(動物)

爬虫・両生類抜粋

種名 卵の指定 特定一種 特定二種
かなへび科 サキシマカナヘビ
なみへび科 ミヤコヒバァ
いしがめ科 リュウキュウヤマガメ
さんしょううお科 トウキョウサンショウウオ

令和元年度に指定する国内希少野生動植物種(動物)

出典:環境省ホームページ ( http://www.env.go.jp/press/107588.html

パブリックコメント(意見書)を募集しています

環境省は今回の改正で一般のかたより意見書を募集しています。
良い意見書は改正時に盛り込まれる可能性があります。
募集期間は2020年1月8日までとなっております。

環境省原文

国内希少野生動植物種、特定第一種国内希少野生動植物種及び特定第二種国内希少野生動植物種の指定要件

希少野生動植物種保存基本方針(平成30年4月17日環境省告示第38号)(抄)

第二 希少野生動植物種の選定に関する基本的な事項

1 国内希少野生動植物種

(1)国内希少野生動植物種については、その本邦における生息・生育状況が、人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種(亜種又は変種がある種にあっては、その亜種又は変種とする。以下同じ。)で、以下のいずれかに該当するものを選定(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号。以下、第八を除き「法」という。)に基づく指定ではなく、同法に基づき指定すべき種の選定を指す。以下同じ。)する。

ア その存続に支障を来す程度に個体数が著しく少ないか、又は著しく減少しつつあり、その存続に支障を来す事情がある種

イ  全国の分布域の相当部分で生息地等が消滅しつつあることにより、その存続に支障を来す事情がある種

ウ  分布域が限定されており、かつ、生息地等の生息・生育環境の悪化により、その存続に支障を来す事情がある種

エ  分布域が限定されており、かつ、生息地等における過度の捕獲又は採取により、その存続に支障を来す事情がある種

3 特定第一種国内希少野生動植物種 

特定第一種国内希少野生動植物種については、国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種を選定する。ただし、その国内希少野生動植物種が、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載された種(我が国が留保している種を除く。)又は渡り鳥等保護条約に基づき、相手国から絶滅のおそれのある鳥類として通報のあった種に該当する場合には、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種であっても、特定第一種国内希少野生動植物種には選定しない。

4 特定第二種国内希少野生動植物種

特定第二種国内希少野生動植物種については、国内希少野生動植物種のうち、次のいずれにも該当するものを選定する。

ア 第二1(1)イ又はウに該当する

イ その存続に支障をきたす程度に個体数が著しく少ないものでない

ウ 生息・生育の環境が良好に維持されていれば、繁殖による速やかな個体数の増加が見込まれる

エ ワシントン条約附属書Ⅰに掲載された種(我が国が留保している種を除く。)及び渡り鳥等保護条約に基づき、相手国から絶滅のおそれのある鳥類として通報のあった種以外の種

出典:環境省ホームページ (令和元年12月25日)より

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