動物取扱業の資格を取って開業したい!

更新 2019.12.11

動物を販売、展示ができる『 動 物 取 扱 業 』 、どうやってとるの?難しいの?など、動物を販売、展示の際に必要な動物取扱業の取得方法をまとめてみました。

動物取扱業とは?

動物を販売したり、預かったりという動物に関係する仕事を開業するには、第一種動物取扱業(動物取扱責任者)という資格が必要になってきます。
動物取扱業は、それぞれの地域の事業所ごとに都道府県知事や、政令市の許可をもらい取得ができます。ペットショップは第一種動物取扱業(販売)、動物カフェは第一種動物取扱業(展示)への登録が必須となります。
これは5年間有効で、取得から5年に1回の更新と年1回の講習があります。

第一種動物取扱業はどんな種類があるの?

第1種動物取扱業は下記の7つの種類に分けられています。

① 販売 ペットショップやブリーダーをとして売買に関する資格です。
② 保管
 ペットサロンやペットホテルなど動物を預かるための資格です
③ 展示
 動物カフェ、動物園、水族館など、動物を展示できる資格です。
④ 貸出
 メディアなどに動物を貸す場合や繁殖などで他者に貸し出す場合に必要です。
上記以外に ⑤訓練、⑥競りあっせん業、⑦譲受飼養業があります。

申請時に複数指定でき、1種類につき15,000円の費用がかかります。
(例)爬虫類ショップと爬虫類カフェの併用の場合は販売+展示で合計30,000円

第一種動物取扱業意外にも「第二種動物取扱業」というものがあり、こちらは金銭の要求をしない保護猫譲渡会などを行いたい場合に必要な資格です。

動物取扱業の資格取得のために

動物取扱責任者

それでは動物取扱業を取得するにはどうしたらいいのかというと、まず動物取扱責任者
が必要となってきます。責任者は次の3つの要件のいずれかに該当しなければなりません。
どれか一つでいいので自分に当てはまった条件を選ぶとよいでしょう。

1)実務経験がある

種動物取扱業の種別と同一種別での半年以上の実務経験がある


2)教育機関を卒業している

動物取扱業の種別に係る知識及び技術について1年以上教育する学校法人やその他の教育機関を卒業した
【高等学校・大学・短大(動物系学科)、その他動物系の学校など】


3)資格をもっている

専門性をもった団体が行う試験によって得られる資格が動物取扱業の資格取得条件になる
動物取扱責任者の要件をみたしている資格一覧


農業高校で動物科を卒業していたり、ペットショップで半年アルバイトをしたりすると楽に条件にあてはまります。
※バイトの場合、半年以上働いていたか勤務先の書面が必要な場合があります。

管理人
管理人
私はサラリーマンだったので家庭動物販売士3級(現、家庭動物管理士)の資格を取得しました。費用は受験料1万円、受講料2万円、合格後の登録料1万円の合計4万円かかりました。

新規登録の必要書類

提出書類は下記の5つ、提出先は業を行う地域でちがうので「住んでいる+動物取扱業」で検索してください。

1.第一種動物取扱業登録申請書 2部
2.第一種動物取扱業の実施の方法 2部 (販売業、貸出し業の)
3.犬猫等健康安全計画 (犬猫の販売を行なう場合のみ)
4.飼養施設の平面図 (飼養施設がある場合)
5.飼養施設付近の見取り図 (飼養施設がある場合)

上記の書類を各担当地域の愛護センターに取りに行くかダウンロードし、
記載して提出をしましょう。

住んでいる場所が賃貸の場合、貸主に飼育と販売の承諾が必要です。
住んでいる地域によっては飼育、販売がゆるされていない場所もあります。事前に行政に問い合わせて調べておきましょう。

③ 職員による立会い調査

書類提出が完了したら、次は「職員による立会い調査です。
日程は書類を提出した時に相談できるので、職員と相談して行います。

検査されるところ

床の素材が畳やじゅうたんの場合、清潔にできない場合があるので、変更をお願いされる場合があります。壁も同様で掃除のしやすい素材が好ましいです。次にケージやラックがちっきち壁に固定されているかを見られます。洗い場や、近隣の外回りも調査の対象になります。アルコールのような消毒液も必要とする場合があるので、あらかじめ用意しておきましょう。

立会いで審査が通れば後日、登録番号の記載された書類がもらえ、
第一種動物取扱業の取得が完了です。

取得した後のこと

メリット

1)ショップ扱いなので、生体、餌、用品が安く買えたりします。

これを業界用語で「業販」といい、卸価格で購入できる場合があります。
店によってまちまちで、購入料金などの規定があるので確認してみましょう。
管理人
管理人
業販してもらったからには、こちらも業販を行うのがルールだと私は思います。双方、Win-Winの関係が基本ですよね!

2)販売の資格を取得している場合は、繁殖個体を販売できます。
特にブリーダーイベントなどは、全て繁殖個体なので自分の欲しい血統の個体を購入、または交換できたります。
特に「ぶりくら」、「とんぶり」は一般入場の前にブリーダー同士がふれあえる時間が設けられており、飼育などの情報交換が行えます。

管理人
管理人
イベントがさらに楽しくなります!

3)爬虫類のネット販売が可能になります。
これは業も持っている同士だと現在施行されている「対面販売の義務」が外れるので、遠方のショップで販売している個体の購入が可能になります。

管理人
管理人
これだけのために第一種動物取扱業を取得する人もいます。

デメリット

1)掃除、生体入出、繁殖書類記載の義務
2)毎年1回開催される動物取扱責任者研修(講習会)を受講する義務があります。
3)施設への抜き打ち検査があります。

最後に

費用も条件にもよりますが、15,000〜60,000円ほどで取得でき、動物取扱業の取得は比較的簡単で、繁殖を趣味とされている方には必須の資格だと思います。
繁殖した個体を販売し、それを新しい血統の購入に使えたりできるので、楽しみが増えます。ただmその一方、5年に1回の資格更新や年1回の講習などがあり負担がることもたしかです。

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