更新 2019.12.17
今回は爬虫類のモルフ(品種)に関する、遺伝の事をまとめてみました。
色々な種類の爬虫類にモルフがありますが、今回はヒョウモントカゲモドキ(レオパ)で 難しい事は抜きにして、簡単に説明します。
Contents
そもそも遺伝ってなに?
遺伝とは親の特徴を子に伝えるための手段で、みなさんも「ここ、親に似ている 」 とか思ったことはありませんか?
その遺伝ですが、動物や植物の業界ではもっとシンプルで容姿や体質に表れる事が多いです。
それを利用して、いろいろな容姿の違う品種を生み出すことができます。もちろん良いところだけ伝わるのではなく欠点も子孫に伝わってしまうため、掛け合わせによっては障害が発生したり、死んでしまう掛け合わせもあります。
遺伝の種類
遺伝は大きく分けて2つの種類があります。
1つは 優性遺伝(形質)、
もう1つは劣性遺伝(形質)です。
優勢遺伝
優勢遺伝とは、体質に現れやすい遺伝子で、優性と劣性が共存している場合、優性が表現型として現れます。
レオパでいえばスノー系、エニグマ、ホワイト&イエロー、が有名です。
英語表記では大文字を使うことが多いです。(AA、BB、CC など)
劣性遺伝
劣性遺伝とは、体質に現れやにくい遺伝子で、優性と劣性が共存している場合、優性が表現型として現れ、劣性は隠れて受け継がれます。
レオパでいえばアルビノ系、パターンレス、マーブルアイが有名です。
英語表記では小文字を使うことが多いです。(aa、bb、cc など)
ホモ接合とヘテロ接合
遺伝子の組み合わせも種類があり、AA,aaなどの同じ組み合わせの場合をホモ接合といい、レオパでは優性遺伝が組み合わさるとスーパーの名前で使用されることが多い。Aa,Bbなどの違う組み合わせをヘテロ接合といい、爬虫類業界ではhet(ヘテロの略)の表記が浸透しています。
優性遺伝の場合はヘテロ接合でも優性遺伝の情報が容姿にあらわれる。それに対してヘテロ接合は2つが揃わないと(ホモ接合)表現できない。
例題
次に、例題をオーソドックスな品種のスノー系で記載。
ノーマルをn/n、マックスノーをM/n、スーパーマックスノーをM/Mとする。
両親 ノーマル
①方親がノーマル(n/n)
②方親がノーマル(n/n)
の場合
全てがノーマル
の表現になる。
ノーマルxマックスノー
①方親がノーマル(n/n)
②方親がマックスノー(M/n)
の場合
1/2がノーマルになる確率
1/2がマックスノーになる確率
の表現になる。
ノーマルxスーパーマックスノー
①方親がノーマル(n/n)
②方親がスーパーマックスノー(M/M)
の場合
全てマックスノー
の表現になる。
マックスノーxスーパーマックスノー
①方親がマックスノー(M/n)
②方親がスーパーマックスノー(M/M)
の場合
1/2がマックスノーになる確率
1/2がスーパーマックスノーになる確率
の表現になる。
両親 マックスノー
①方親がマックスノー(M/n)
②方親がマックスノー(M/n)
の場合
1/2がマックスノーになる確率
1/4がノーマルになる確率
1/4がスーパーマックスノーになる確率
の表現になる。
両親 スーパーマックスノー
①方親がスーパーマックスノー(M/M)
②方親がスーパーマックスノー(M/M)
の場合
全てがスーパーマックスノー
の表現になる。
以上が全てのパターンです。
あくまで確率なのでマックスノー同士でも運がよければ全てスーパーマックスノーになりますし、全てノーマルの場合もあります。
さらにスーパーマックスノーアルビノやアルビノを親にするとアルビノのマックスノーが出来たりします。
こうやってブリーダーが新しいモルフを増やしているので、毎年新しいモルフが誕生しています。
もちろんコーンスネーク、ボールパイソン、フトアゴなど、全て遺伝の法則にしたがって産まれてきます。それぞれの爬虫類のモルフを勉強してみるのも楽しいと思います。
さいごに
爬虫類のモルフは多種多様で、同じ種類でも全然色や模様が違うものもいます。
ただ、その裏で悲しいモルフも存在します。レオパでいえばエニグマやレモンフロストで、このモルフは障害や腫瘍が認められるモルフで見ていてかわいそうな個体もいます。繁殖する場合はをれを理解し、悲しい個体を生み出さないようにしましょう。